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映画『どうすればよかったか?』がフォーラム山形、フォーラム東根にて上映中!→上映期間が1/23(木)までに延長!

昨日はフォーラム山形にて、藤野知明監督作品『どうすればよかったか?』の上映&監督トークへ。

統合失調症が疑われる姉に対しても、姉を静かに取り囲む高い壁のようにそびえる父母に対しても、その尊厳を尊重し、質問したり沈黙したりされる藤野監督の姿が、見えないときも作中ずっと映っていました。なぜ極限とも思われるこうした状況下で、自身の家族というあまりに感情を掻き立てられる対象に対して、こうまでも眼前をとらえることに徹底した撮影ができるのだろう。藤野監督の内側で動いているものがほとんど見えない。だから本当に映像に集中して見ました。お姉さんにカメラを向けられたとき、目や口をわずかに動かして、無言でもたくさんのメッセージを放っていたお姉さんのお顔。藤野監督に撮られることを受け入れるように立ち上がっていた2本の指。残像があまりに強く残っています。

そしてそうした映像がなぜこうも強いものを残しているのかということへの答えのような藤野監督の言葉が、パンフレットのなかにありました。25歳くらいで藤野監督が出された答え。ぜひ映画とともにパンフレットもご覧ください。昨日も満席の劇場、そしてパンフレットを求める方々で長蛇の列でしたが、ここには何度も見つめてしまう言葉、写真、絵があります。

私が映画のなかで印象的だったのは、閉ざされた家族の空間に、作中一度だけ外から人が入ってくる場面でした。私も自分の人生のなかの「どうすればよかったか?」を携えながらここまでやってくるなかで、この場面はきっととても大きな意味をもっていたのではないだろうかと敬意をもって祈るような気持ちでドキドキと見ました。そしてあの状況を生んでいたのは紛れもなく藤野監督であり、その行動はパンフレットのなかの藤野監督の言葉と確かにつながって、けれどやはりたくさんのわからなさも合わさりながら、体内で反響し続けています。

藤野監督は山形ドキュメンタリー道場に参加されており、本作は山形国際ドキュメンタリー映画祭2023で初上映された作品。上映は、フォーラム山形、フォーラム東根にて16日(木)まで。貴重な映画です。ぜひお出かけください。

*追記、フォーラム山形、フォーラム東根ともに上映期間が延長となり、1/23(木)まで上映のようです。フォーラム山形は上映のない日もありますので、フォーラムのホームページにてぜひご確認ください。

『どうすればよかったか』舞台挨拶の藤野監督

『どうすればよかったか』ポスター

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