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『giinika』2号の特集、「負けない映画館、フォーラム」のこと

『giinika』2号に早速ご感想や応援のコメントをお寄せくださったみなさま、様々なところでご紹介くださったりご購入に駆けつけてくださったみなさま、本当にありがとうございます(涙)

2号の特集のタイトルは、「負けない映画館、フォーラム」なのですが、ここ数年、「負けない」ということがどれだけすごいことかというのをしみじみ考えるようになりました。きっかけは、「負けないぞー!」という合言葉を、集まるたびに教員と学生とで叫ばれるゼミがあるという話を耳にし、最初はそうかと聞いていたもものの、勝つでも負けるでもなく「負けない」、勝負するでも勝負を放棄するでもなく一つの信念を維持していく「負けない」というのは、実に真理の詰まった言葉だと気になるようになりました。

今回の特集の取材では、フォーラムネットワークの代表取締役である長澤裕二さんに始まり、長澤裕二さんと二人三脚で学生時代から活動してこられた奥様で相談役の長澤英子さん、現在は専務取締役でいらっしゃるご長男の長澤純さんとお話をお聞きしていくなかで、映画館フォーラムは、これまでの37年間に幾度となく経営の危機があったこと、それでもその危機をなんとかくぐり抜けてこられたことを知りました。そのフォーラムの「負けない」を支えてきたものは何だったのか。それは、アート作品からメジャー作品まで差別なく上映されるプログラムの多様性や、そうした映画館が各地につくられて生まれるネットワークの多様性などで、それらがどんなふうに実現されてきたかということが徐々にお話のなかから見えてきました。

そして、長澤ご夫妻や中山千寿さんをはじめとする映画ファンの方々が、市民自らのための映画を上映すべく行われた自主上映会活動は現在、フォーラムに1号社員としてかかわられた髙橋卓也さん(山形国際ドキュメンタリー映画祭理事兼プロジェクト・マネージャー)や映画館建設からかかわられた宮澤啓さんのご活動や、フォーラム山形支配人の森合広さんら現場の方々を通じて、地域のあちらこちらへと拡がるとともに、映画館フォーラムの空間、プログラム、上映方法のあらゆるところへと拡がって発展し続けているようすも浮かび上がってきました。

映画と場所というものが、これだけ有機的な循環を生み出すということ、そして肥大化した現代社会において、どうやって小さくともつながりを持って豊かさを守って生きていくかということへのヒントが、フォーラムの歴史と現在にはぎゅうぎゅう詰まっているように思われます。「負けない」って、やっぱりすごい。そんなことを思い、特集タイトルは「負けない映画館、フォーラム」としました。

『giinika』2号は、フォーラム山形ソラリスフォーラム仙台フォーラム福島をはじめ、各販売店さんにてお取り扱いいただいています。ぜひご覧いただけましたらうれしいです。

フォーラム山形の内観

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