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販売店紹介:曲線!

このたびは、仙台市青葉区八幡にあります本屋さん、曲線さんにて『giinika』をお取り扱いいただけることになりました!

曲線の外観

初めて曲線さんにお邪魔しました日、近くまで来ていながら周辺をうろうろと歩き回ってしまったのですが、国道48号線からの小道をようやく入り、お庭の奥にぽっと佇む建築が見えたとき、そのすがたに胸が熱くなってしまいました。店内には、入口そばから小上がりへと詩集、エッセイ、リトルプレス、人文書、小説、写真集、絵本などが幅広いジャンルで並びますが、その一つひとつに、読者であり生活者でいらっしゃる店主・菅原さんの目線がゆきわたります。知らない世界へと誘われつつ、今をともに生きる者として確かに勇気づけられるような、そんな棚の宇宙に抱かれて、すっかり動けなくなってしまいました。

菅原さんはもともとアート関連書籍を中心とするセレクトショップで長く選書を担当されていたそうなのですが、2019年の秋に曲線をオープン。当初は別の場所でと考えていらしたそうですが、ご友人の紹介でこの築120年の民家にたどり着かれたそう。菅原さんとこの場所、並ぶ本とが、凛と同じ空気をまとい合っているさまに、人と人、人と場所とのご縁というものはすごいなあとつくづく思います。昨年、文芸雑誌『群像』に菅原さんが寄せられたエッセイのことを教えていただき拝読したのですが、曲線という場所について、菅原さんが次のようにお書きになっていました。「…私ひとりの美学が詰め込まれ完成された場ではなく、曲線を動かす自分、曲線のことを思い浮かべて行動してくれる他者、それから場所が経てきた年月の長さによってつくられていく部分がある」。何かをつくるということ、それは書くことにおいてもと感じますが、目指したいのは一つの完成ではなく入口をつくることだなあと、深く深く共感します。

現在、曲線さんでは企画展「『曲線的なアルゴ』 金属活字による北園克衛〈図形説〉再現展」が開催中なのですが、これは視覚表現や詩などにおいて多彩に活躍した北園克衛の最初の詩集『白のアルバム』におさめられた作品群から、当時の活版印刷を独自に再現し、その組版と作品とを展示するというもの。曲線という店名は、菅原さんが大切にされる北園克衛の詩に由来するそうなのですが、この展示の組版を制作された毛萱街道活版印刷製本所の小熊さんも、活版印刷所泣かせな北園克衛の詩の造形に魅せられるうちに活版印刷の虜となられたのだとか。北園克衛に心を寄せるお二人が、曲線さんで少しずつ言葉を交わされるようになり、このたびの展示が企画されて実現の運びとなられたそうです。本当に、本というものは生きた力のあるすごいものだなあと感じ入ります。そして北園克衛の詩の再現組版だからこそ知ることができる活版印刷の緻密な美しさに、すっかり見入った展示でした。本展は6月20日(月)まで。店内ではコーヒーなどもいただけて、damo kaffee hausさんによる曲線ブレンドが、また味わい深くおいしかったです。ぜひぜひごゆっくりとお出かけください!

「『曲線的なアルゴ』 金属活字による北園克衛〈図形説〉再現展」の展示組版 活版印刷機 「『曲線的なアルゴ』 金属活字による北園克衛〈図形説〉再現展」展示風景

曲線のコーヒー 曲線オリジナルブレンドコーヒー豆

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