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『地域人』89号、フォーラム取材記事のこと

今年2月末に、『地域人』89号の映画館特集号におけるフォーラム紹介原稿の依頼を、敬愛する編集者の山﨑範子さんよりいただき、5月に記事が掲載となりました。フォーラム紹介ページの写真撮影は、『giinika』表紙を撮影くださっている大沼洋美さんです。

89号では、シネマ・チュプキ・タバタを運営されていて『こころの通訳者たち』プロデューサーの平塚千穂子さんをはじめ、高知で映画館づくりを進める安藤桃子さんや、コミュニティシネマセンターの岩崎ゆう子さんのインタビューのほか、全国各地のまちの歴史を物語る映画館が、まちを動き回られる多彩な書き手の方々によって紹介されています。

『giinika』2号ではフォーラムの設立と運営にかかわったみなさんにお話を伺いましたが、その成り立ちなどを追っていくなかで、映画を見せ続けるための運営方法、映画館ネットワーク構築による文化の残し方、現場の方々が常に観客の立場で考える上映方法やスケジュールのデザインなどが浮かび上がって見えてきました。

今回の『地域人』原稿では、フォーラムが東北の映画館として紹介されることから、東日本大震災および福島第一原子力発電所事故後の映画館についてはやはりお聞きしなければと思ったこと、そして撮影素材や上映環境の変化など激動を経たいまフォーラムでも世代交代が進んでいること、そのなかで現場の方々はどんなことを大切にしてどんなことに思いを込めて映画を上映する場をつくり続けていらっしゃるのかということを紹介できたらと考えました。そこで新たにフォーラム福島支配人の阿部泰宏さんと、フォーラムシネマネットワークの専務取締役でアート系作品の番組編成を担当されている長澤綾さん、そして昨年10月に急逝した髙橋卓也さんから地域での上映会活動を引き継いでこられた千歳千恵さんにお話を伺ったのでした。

綾さんが、ご自身を「映画ファンのファン」とおっしゃり、国内での公開作品数が一時は年間1200本を超えたいま、大事なのはお客さんを信頼し、創業以来の「映画ファンのための映画館」としてこれからも存続し続けること、その人たちのためにただいい仕事がしたいとおっしゃっていたことは深く心に残りました。また、千歳さんが、地域の上映会では拍手喝采が起こり、「自分も映写しながら感動して泣いてしまうことがある」とおっしゃった言葉は、上映会という人のつながりがつくる映画の場のおもしろさや特別さがそのまま物語られていたこと、さらにフォーラム福島支配人の阿部さんが原発事故後に体験された葛藤やわだかまりや怒りのこと、不条理な状況のなかでも「この場所でポジティブに仕事を続けられるとしたら、3・11や原発事故に関する映画を積極的に上映することだ」という結論に至られ、そこから福島固有の多様な映画の見られ方や向き合い方がフォーラム福島に生まれていき、フォーラムがまさしく人と人とが出会い、抑圧された人たちの逃げ場となる「広場」になっていったと話されていたことなど、みなさんの言葉による映像が強く脳裏に焼きついています。阿部さんが、生きるなかでの辛く重苦しいものには人を結びつける力がある、とおっしゃった言葉は特に忘れがたく、深く共感するばかりでした。

雑誌のなかにはほかにもぜひお読みいただきたい貴重な記事ばかりですが、残念ながら今号は販売がなく、現状はWEB上でも公開がないため、ご案内できる窓口がないことがとても残念です。けれどもなんとか自分が担当した部分、フォーラムのいまについてはやはり少しでもみなさんにシェアできればとの思いで長くなりましたが書きました。きっと映画館特集の『地域人』89号が、なんらかのかたちでより多くの方々の目に触れますようにと願います。

『地域人』89号表紙

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